「エアライフル(標的射撃)を始めたいのですが、いくらぐらい掛かるものなのですか?」という質問がネット上でも見られるようなので、金銭的なことも書いてみようと思う。(掲載している金額はすべて参考です。地域や時期によって差異がある場合があります。)
まず、用具一式を買い揃える前に、手続き書類関連にお金が掛かる。
このうち医師の診断書は金額に幅があるだろう。健康保険は使えないから、身体障害者などで医療費助成を受けていても関係なく全額支払う。
身分事項証明(身分証明)は発行手数料300円で済む自治体が多いと思う。ただし、郵送で取り寄せる場合は発行手数料として定額小為替も必要で、これを郵便局で入手するときに1枚100円の手数料が要る。
(現在、戸籍謄本が不要となったのは多少の救いだ。)
さらには所持許可を受けた後も3年に一回経験者講習を受け、許可の更新申請が必要で、最初に申請したものと同じような書類(診断書や身分証明)を集めなければならない。
・初心者講習会受講 手数料 6,800円(初回のみ)→6,900円に改定
・所持許可申請 手数料 10,500円(初回のみ)
・診断書作成文書料 3,240円(消費税8%時)+診察料
・住民票発行手数料 300円
・身分事項証明発行手数料 600円
・(定額小為替発行手数料 200円)
・経験者講習会受講 手数料 3,000円
・所持許可更新申請 手数料 7,200円(許可証新規交付の場合)
・所持許可証書換え(住所氏名等)手数料 1,600円
・所持許可証抹消/返納 手数料不要
用具としては、絶対に必要なもの、ないと困るもの、あったほうが良いものなどに分けられる。
用具類は中古を手配するという手もあるが、ここではすべて新品で揃えてみよう。
エアライフル本体は、所持許可申請の前に銃を決めて予約金を納めなくてはならない、譲渡等承諾書という書類を銃砲店に発行してもらわなければならないからである。
ガンロッカーは所持許可申請を提出したらすぐに立ち入り検査があるので、早めに設置する必要がある。ふだん銃を運搬するためのガンケース(バッグ)は慌てることはないが、必ず必要となる。
なお、クレー射撃などの散弾銃所持で必要となる装弾ロッカーは、エアライフル(空気銃)では必要とされない。(銃砲と別に保管するなどの指導がある場合がある。)
・エアライフル本体(標的射撃用) 30~45万円(→2024年4月現在 50~90万円)
・ガンロッカー 3~5万円
・ガンケース(日常運搬用バッグ)1~3万円
エアライフル本体に関しては、2018年ごろから少しずつ値上がりする傾向にあったが。さらに近年の円安が影響し、例えば私が購入したモデルは、2024年4月のライフルショップエニスのカタログによると37%も値上がりしている。同カタログによるとモデルによって52万~92万円の幅があるが、以前は40万円台で買えた一般的なモデルでも60万前後の価格が付いている。銃器については海外製を購入するしかないので、過激な円安はかなり痛い。銃本体だけでなく装備品なども同様である。
射撃をするときに無いと困るのは空気銃弾(ペレット)である。電子標的の射撃場でなければ、紙標的も自前で用意する。
シリンダにエアを充填するためのエアポンプまたはエアタンクも必要だ。
障害者でSH2のクラスで射撃するためには、SH2スタンドとそれを固定する台などが必需品だ。
無いと困るというか、あると便利なものとしては、ライフル射手手帳だろうか。射撃場に行ったときに利用証明の押印をしてくれる。毎年の銃砲検査の際に使用実績の証明として提示できる。
射撃姿勢によってはシューティングスタンドがほしい。(障害者SH2射手は必ずしも必要としない。)
照準しないほうの目を隠すアイカバー(アイシールド)もつけなければならない。
さらに銃器のメンテ用品も揃えなければならない。クリーニングキットやガンオイルは必要だ。
本格的にやるとなると、射撃用のコート(ジャケット)とズボン、グローブ、シューズが必要となる。
障害者の座位での射撃では、ズボンなしで、着丈の短めのコート(ジャケット)を作ることになるが、これらはオーダーメイドになることがほとんどで、納期が長いうえにかなり高価だ。
あったほうが良いと思われるものとしては、ツール各種やケース類だろうか。
エアライフル各部の微調整は六角レンチを使うことが多いが、基本的なツールが本体に付属してくるとはいえ、もっと使い勝手が良いものが欲しくなったりする。
空気銃弾(ペレット)は購入すると小さな缶に入ってくるが、何発消費したかがひと目で分かるマッチボックスが便利だ。
また、サイト類、特に精密機器の最たるものであるリアサイト(マイクロサイト)を運搬・保管するためのサイトケースも持つべきだろう。
視力に問題があるならば、射撃専用のグラス(眼鏡)も作らなくてはならない。
さらに凝りだすと、ウエイトバランサーなどを追加したくなったり、サイトを交換したくなったりする。
エアシリンダも予備が持ちたくなるかもしれない。
・空気銃弾(ペレット4.5mm)1缶500発 1,800円
・紙標的 250枚 1,000円
・エアポンプ 3-4万円
(エアタンク 10-14万円)
・障害者用SH2支持スタンド 2万円(→2024年3月現在 31,300円@シースジャパン)
・ライフル射手手帳 500円
・シューティングスタンド 3万円
・アイカバー 2,000円
・クリーニングキット&オイル 5,000円
・射撃コート&ズボン 10万円~30万円
・グローブ 1万円
・シューズ 4万円
・ツール 各種
・マッチボックス 2,000円
・射撃専用グラス 3-4万円
射撃場が電子標的の場合は、利用料金のほか、標的マスク代(400~500円)やプリント代などがかかる場合もある。
シリンダエア充填については、会場備え付けのエアタンク(ボンベ)を一回当たりいくら(100~200円程度)で利用できる会場もある。
以上の金額は概算だが、最低限に掛かる費用をまとめてみる。
書類関連:2万円ちょっと
銃砲、ガンロッカーなど:約40万円
エアポンプ、スタンド、ケース類、メンテ用品など:約7万円
ここまでで約50万円ぐらいになる。
これに消費する銃弾や紙標的を加え、さらに射撃場の利用料金(場所によってピンキリ)と交通費が必要ということになる。
だいたいこんな感じで始めることになると思うが、大会に出たり段級審査を受けようとするとコートやズボンなどのアタイアが欲しくなるので、20万円ぐらいがオンされる。
私の感覚としては、初期費用として最低50万円ぐらい、ひとりで楽しむ程度なら70~80万円、本格的にやるなら80~100万円といった感じだろうか。もちろん銃器やガンロッカーなど中古品が見つかればもっと安く済む。
幸い、散弾銃とは違い、空気銃は弾代(1発3-4円程度)や射撃場利用料金などのランニングコストは比較的安く済むので、最初のグッズ類を揃えてしまえば、さほど金食い虫ではないと思うのだが如何だろうか?
なお、大会に出るためには地元の射撃協会に所属することが条件だったりするので、入会金は1,500円程度、年会費は支部レベルだと3,000円、都道府県レベルまでだと支部を含んで6,000円ぐらい必要だ。
段級審査を受けようとすると都道府県レベル(東京都ライフル射撃協会など)への入会が条件となる。最上位に日本ライフル射撃協会があり、ここまで入会するとなるとさらに年会費を加えなければならないが、推薦を受けるなどの予定がなければ、都道府県レベルまでで問題ないようだ。
ついでながら、段級審査にも受験料が必要で、1回3,000~4,000円あたりである。
まったくの初心者が、見よう見まねでエアライフルによる標的射撃を始めてみた。ほとんど独学状態で、しかも身体に障害アリ。
こんなことで大丈夫か?
アレコレもがきながらも、楽しんでいる様子をご覧ください。
A physically disabled shooting beginner tells you how to get into an Air Rifle target shooting in Japan.
Un principiante discapacitado de tiro le dice cómo comenzar un tiro al blanco con rifles de aire comprimido en Japón.
殘疾人射擊初學者講述瞭如何在日本開始氣步槍射擊。
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最終更新日:2025年01月21日
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