初心者講習の修了証明書を取得しないと、銃砲店で銃砲を予約することもできないので、エアライフルを始めたいと思ったらまずは初心者講習を受けておこう。受講は住民票のある都道府県に限られているので、実際の居住地と住民登録地が異なっている場合は、住民票を移しておく必要がある。
初心者講習は定期的に開催されていて、希望の日時を選んで申請者の住所を管轄する警察署に申し込む。日程は各警察本部のサイトに掲載されているが、問題なのはその頻度だ。東京都や神奈川県のように少なくとも毎月1回実施されているところは稀で、大阪府のように年4回ていどというところが多いようだ。募集期間を限定している地域もあり、定員になったら締め切ったりするので、思い立ったらまず、ご自分の警察本部(東京都は警視庁、北海道は道警察本部、以下同じ)の公式サイトを確認することをお勧めする。
サイト内で探すところはまちまちだが、何故か概ね見つけにくいようになっている。
キーワードとしては、「申請・手続き」か、「生活安全」関連か、「許認可」関連か、「講習会」あたりであろう。「○○○警察本部 初心者講習」で検索するのが速いかもしれない。なお、『経験者講習』というのがあるが、これはすでに銃砲を所持している人向けのものなので、初めて所持許可を申請する人は受講できない。
所持許可への道の第一関門は「初心者講習の申し込み」、そして、次の関門は「講習の考査に合格すること」である。
ネット情報でときどき見られるが、警察署に電話しても担当者がなかなか捕まらないとか、運よく面会してくれても「圧迫面接された」だの「色々難癖を付けられた」だのという話があるようだ。しかし、その程度でビビッてしまったり腹を立てているようでは、この先は進めないと断言しておく。まっとうな人生を送っている市民ならば、どんな質問や聴取をされても問題ないはずだし、自分の意思や持っている情報を正しく伝えられないようなら出直すべきであろう。努力してもダメならば、担当警察官が所持許可を与えるにふさわしくないと判断しているとしか思えない。
善良な市民生活を送ってきた私でさえ(笑)、初心者講習を申し込むだけで電話をかけること多数回、警察署へ足を運ぶこと2回、都合3ヶ月ほど待たされているのだ。
少なくとも警察に嫌悪感や敵対意識を持っている人は、所持許可を取得しないほうが良いと個人的には思う。
初心者講習の日程は遅くとも3ヶ月ぐらい前には発表される。1年分をまとめて発表している警察本部もある。受講する日を決めたら、申込みに必要な書類を準備する。警視庁管内では、春に年度内の予定が発表されているので、本サイトの「資料室」に掲載しておいた。
警視庁(東京都公安委員会)の場合、必要な書類は次のとおりである。
(地域によって必要とされる書類や枚数に相違がある場合があるので、各警察本部のサイト等を確認のこと。)
「申請者の顔写真1枚」
無帽、正面、上三分身、縦30ミリメートル×横24ミリメートル(運転免許証と同サイズ)、
6ヶ月以内に撮影されたもので、裏面に氏名及び撮影年月日が記載されているもの。
「本籍地記載の住民票」
家族全員記載のもの。マイナンバーは記載不要。
(交付から3か月以内であれば講習後の教習資格認定申請や所持許可申請でも使用することが可能。)
以上に加えて、「猟銃等講習受講申込書」に記入して持参する。用紙は各警察本部のサイトからダウンロードできるので、あらかじめ記入しておこう。
記入に際しては、住民票どおりに記載することがコツで、漢字を正確に記すことはもちろんのこと、地番についても「1-2-3」のように省略しないで、「1丁目2番3号」のように書く。押印は不要になったが、念のため印鑑は申し込みに行くとき持参する。
また、受講希望の日と場所は空欄にしておいて、申込時に空きの確認ができたら記入すればよい。
申込日も空欄にして、受理されたら警察署で記入しよう。
申込書が受理された時点で、当日使用するテキストをもらえるのだが、私の場合はテキストの在庫がないという理由で、初回訪問時は申請書類そのものも受理してもらえなかった。書類だけを預かるということはできないとのことで、テキストの入荷を待って後日改めて出直すことになった。
書類が受理されると、受講手数料(6,800円、2019年1月現在)が必要となる。現金で支払う場合と府県の収入証紙で収める場合があるが、収入証紙で納める場合でも警察署内で購入可能だと思う。
受講の申し込み手続きは、住所地を所轄する警察署である。警察というと何も悪いことをしていなくても敷居が高く感じられ、気が重いかもしれないが、単なる役所の窓口に過ぎない。実際、自動車の車庫証明とか道路使用許可、古物営業などの許可や届出などの窓口は警察署である。物怖じする必要はない。
さて、受講申込みの書類が揃ったら、警察署へ申込みの電話を入れる。110番ではなく、住所地の所轄警察署の代表電話番号へかけて、担当の部署へつないでもらう。(受講会場の警察署ではなく、窓口は常に住所地の所轄警察署になる。この窓口は以後、長いお付き合いとなる。)
「空気銃所持のための初心者講習というのを受講したいので、ご担当の方をお願いします」のように話すとよいだろう。ほとんどの警察署では、担当窓口は「生活安全課(多くは保安係)」というセクションになる。銃砲関連の手続きを担当しているのは係長レベルを入れても1~2名(銃砲担当)で、銃砲業務に専念している警察官はほとんどおらず、皆さん多忙である。捜査で出動していることもしばしばだ。1回の電話で担当者がつかまったらラッキーと思おう。
(「保安係の銃砲担当の方をお願いします」とずばり言っても良い。)
運よく担当者と話すことができたら、
「空気銃を所持したいので、初心者講習を受講したいのです」
「いつの分ですか?」
「○月○日の講習です」
「書類は揃っていますか?」
「はい」
「いつ来られますか? 明日10時とか大丈夫ですか?」
「はい、10時に伺います」
というような会話でアポを取る。
担当者の氏名も聞いておくように。
希望の日時が定員で一杯かどうかは、担当者も開催会場を主催する警察署に聞かないと分からないこともある。その場で確認してくれればよいが、警察署へ申し込みに行ってからダメだということが分かることもあるかもしれない。電話でアポを取るときに、念のために定員は大丈夫か確認しておくと安心だろう。
ちなみに電話を入れるときも担当者を訪問するときも、特段の指示がある場合を除き、業務時間内に行うこと。警察署によって若干の差があるが、平日(月~金)の08:30~17:00ぐらいである。
なお、公式サイトに「代理人による申請」や「郵送による申請」なども可能と書いているところもあるが、電話を入れると、「本人が来署してください」といわれる場合も多いので、覚悟しておくほうが良い。代理人や郵送でよい場合も、申請者本人が電話で申込みをする必要がある。
それと、少々ぶっきらぼうな態度を取られても逆上してはいけない。担当者も多忙だし、また性格や熱意を確認しようとしていることもお忘れなく。
警察署にアポを取るときは、初心者講習申込時にもらえるテキストの在庫も聞いておくと安心かもしれない。私は入荷するまでずいぶんと待たされ、何度か確認の電話を入れたりした。熱意を試されているのかもしれないと思い、忍耐強く待ち、根気よく連絡を入れたものだった。
最初、受講申込み書類一式を持って警察署へ行き、担当警察官と「なぜ空気銃をやろうと思ったのか」などあれこれ尋ねられたあげく、「いまテキストの在庫がないから、入荷したら連絡します」と言われたのだ。そして、「申し込み書類を預かることはできません。テキスト入荷時にあらためて受理します」とのこと。そのまま数週間が過ぎても音沙汰がなく、痺れを切らして電話してみると「まだ来ていないんですよ」。希望の会場が定員いっぱいになったら面倒なので、席だけは確保してもらっていたが、気が気ではなかった。その後何度か電話し、ようやく入荷したと言われ、再度申込みに出向いたのだ。そこでようやく受理となった。
本当にやる気があったら、途中でめげてはいけない。
指定の時間に警察署に行って、まず受付で自分の氏名を名乗り、「生活安全課の銃砲担当の○○さんと10時にお約束しています」と伝えると、連絡を取ってくれ、案内されるとおりに指定の場所へ出向く。来署者リストに記入して、入場証を首から提げないといけないところもある。
受付でさらに用件を聞かれることもあり、「銃砲の件ですか? 講習申込みですか?」などと確認されることもある。
さて、生活安全課の担当窓口で事務的に書類を提出して、受講手数料を支払い、教本をもらって終わり、というところもあれば、根掘り葉掘り色々面談されるところもあるようで、警察署や担当者によって対応はまちまちのようだ。
私の場合は後者で、小さな部屋に案内されて、担当者と二人きりで、なぜ射撃をやろうと思ったのかなど、15分ぐらいあれこれ聞かれた。
なので、
・なぜ射撃をやりたいのか
・どんな銃を持つつもりか(エアライフル、エアハンドライフル、散弾銃)
・射撃場はどこへ、どのぐらいの頻度で通うつもりか
・仕事は何をしているか(収入源や年収も)
・家族構成
・家族の同意があるか
・家は持ち家か借家か
・借金やローンはあるか
・精神科の通院歴はあるか
あたりは話せるようにまとめておくとよいだろう。
(先で所持許可申請をすることも踏まえて、申請時の聴取内容も今のうち確認しておこう。)
ビームライフルの経験があったり、事前に銃砲店や地元の射撃協会などと接触しているのであれば、その話もしておくとスムーズかもしれない。警察署としては、初心者講習受講の前に軽くフルイに掛けておきたい気持ちもあるのだろう。
私の場合はビームライフルに通い始めたばかりだったが、その話もしておいた。
それと、私の身体に不自由なところがあるのを見た担当警察官は、「もし不適当と判断されたら許可が下りないこともありますので、ご了承ください」とも言っていた。法令では身体障害は欠格事項ではないが、そう言われると少し緊張する。第三者の手を借りることなく、自分で銃砲を所持・使用できれば問題はないはずだ。
さて、面談がOKとなり、申込みが受理されたら、受講手数料を支払う。警察署内の会計係で現金払いするところもあれば、収入証紙を買って収めるところもある。支払いが済んだら、受講日時の講習受付票(案内/通知書)と『猟銃等取扱読本』というテキストを渡される。
初心者講習当日は考査(試験)が行われるので、前もってテキストをしっかり読み込んでおく必要がある。これに90%以上正解しないと修了証明書はもらえない。考査問題についてはネット上にも上がっているし、書籍も出ているので、予習を怠りないようにしよう。当日いきなりでは合格は難しい。
当日不合格になっても、次回また申し込めば受講することができるが、時間を手間を浪費することはないだろう。警察署の心象もよいものではない。
講習当日に持参すべきものは、次のとおり。
・受講受付票(案内/通知書)
・『猟銃等取扱読本』テキスト
・筆記用具(ボールペンまたは万年筆)=考査用
・印鑑
・昼食
(意外と忘れがちなのが、メガネ。)
遅刻はもちろん厳禁で、30分ぐらい前には到着しているように。遅れたら入室できない。
座席は指定されたところに着席する。
講習および考査は一日仕事なので、昼食を持参するか、または外食代金が必要となる。私の場合はおにぎりを持参して、講習会場内で食べたが、外へ食べに行くことも可能だった。(警察署によっては一日外へ出られないところもあるらしい。)
ちなみに、私が2014(平成26)年に警視庁管内で受講したときは、次のような内容だった。
1)法令関係・・・3時間
猟銃及び空気銃の所持に関する法令
猟銃用火薬類等に関する法令
猟銃に関する法令
2)猟銃及び空気銃の取扱関係・・・1時間
3)考査(試験)・・・1時間
考査問題は20問で四肢択一式、出題範囲は上記(1)および(2)の講習内容から。
(現在は50問で〇X正誤式)
開始時間は09:00からで、昼食時間を挟み、16:30ごろにはすべて終了したように思う。
講義はテキストを元に進められるが、大部な内容なのですべてを丁寧に説明する時間は無く、飛ばし飛ばし要点のみをさらっと触れていくという感じだ。だからといって、その部分が考査に出題されるという保証もない。なので、やはり事前の入念な準備が必要となる。
当時の考査(試験)は20問あり、すべて正しいものを選ぶ四肢択一式(実質80問)で、70%以上の正解が必要だった。
この考査はその後、2015(平成27)年6月1日より内容が変更となった。
現在は50問で正誤(○X)式になっていて、45問以上の正解を必要とする。考査時間は変わらず、60分である。
私が受講したときは、受講者40名ほどで、うち女性が3名ほどだったと思う。考査の後しばらく待機してから合格発表が口頭で行われ、番号を呼ばれなかった人はこのまま退出となった。3割ほどが不合格だったように記憶する。
なお、試験問題は持ち帰ることができず、解答用紙とともに提出する。(試験問題用紙に記入することはOK。)
正解の配布などはなく、答え合わせなどもない。解答に自信がない問題もあったので、正解が何なのか知りたいところだ。
初心者講習に臨むにあたっては、事前配布されたテキストを十分に読み込み、試験問題(例題集)などでしっかり予習しておく必要がある。エアライフル(空気銃)のみ所持希望でも、散弾銃所持について勉強しておかなければならない。正誤式で以前よりいくぶん優しくなっているようだが、付け焼刃で対応できるような内容ではない。全問正解するつもりで準備しておこう。
考査に合格したら、即日「講習修了証明書」が発行されるので、印鑑を受領書に押して受け取る。
地域によっては後日郵送のところもあるようだ。
この「講習受講修了証明書」の有効期限は、交付日(発行日)から3年間なので、許可申請はこの期間内に行う必要がある。注意すべきは、警察署によって、許可申請時に期限内であればよいとする場合もあれば、許可証交付時に期限内でなければならないとする場合もあるということだ。申請してから許可が出るまでおおむね2-3ヶ月、長い場合で5-6ヶ月掛かることもあるというから、余裕を持って申請しなければならない。
申請には原本の提示が必要だから、当然、紛失しないように気をつけよう。
地域や担当者の性格などにも左右されると思うが、警察官とのやり取りにおいて、最もハードなイメージを持つのは初心者講習を修了するまでだと感じている。所持許可を無事に取得し、銃砲一斉検査や許可更新までを経験した今となっては、初心者講習受講後の警察官は比較的優しく、話もしやすいような気がする。自分が警察署や警察官になれてきたせいもあるかもしれないが。
「講習修了証明書」の有効期限は交付日より3年間だが、その間に他の都道府県に引越し(住民登録異動)した場合でも有効である。ただし、所定の「講習修了証明書等書換申請書」で住所の変更を申請し、書き換えを受ける必要がある。この申請書は、本籍地や氏名に変更が生じた場合にも使用する。
まったくの初心者が、見よう見まねでエアライフルによる標的射撃を始めてみた。ほとんど独学状態で、しかも身体に障害アリ。
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