わが国の法律では、銃砲所持許可に関して「人に関する欠格事項」(許可を与えない者)があるが、精神に関わる病気を除いて、身体に障害があること自体は欠格事項に該当しない。
ただし、許可取得の最低条件として、本人が銃砲を安全に扱えることと、第三者の助けを借りることなく保管・運搬等ができることが必要だ。身体障害がある身としては重い銃器をひとりで保管・運搬等ができるかどうかがポイントとなる。許可を受けた銃砲は、たとえ家族であっても触れることさえ許されず、ケースやバッグに入れていたとしても、それを人に持ってもらうことはできないのである。
所持許可を申請する前に、この点をクリアする方法を考えておこう。
エアライフル射撃は銃砲所持許可を取得する前に経験してみるということはできないが、まずは、ほぼ同じような体験ができるビームライフルをやってみてはどうだろうか。射撃とはどういうものか、銃器がどのような感触で、どのように操作するのかがある程度実感できると思う。そして何より射撃の魅力が理解できるというものだ。
(「日本障害者スポーツ射撃連盟」は2023年4月に「日本パラ射撃連盟」に改称しました。)
オリンピックでは、1896年の第1回アテネ大会より射撃(装薬銃)が正式種目として採用されており、パラリンピックにおいては1976年のトロント大会からライフル射撃が正式競技として採用され、現在に至っている。
わが国においては射撃競技そのものが他のスポーツに比べてマイナーであるが、2020東京五輪の開催に向けて、パラリンピックへの注目が高まる中で、障害者射撃(Para Shooting)も脚光を浴びるようになった。
障害者とはいえ、パラスポーツとしての射撃を行えるのは原則として身体障害者であり、公式競技会で行われているのは上肢下肢の身体障害者(肢体不自由)によるものである。(ビームライフルは視覚障害者や知的障害者でも可能のようだ。)
使用する銃器については身体障害者専用という設定は無く、バットプレート(銃床)などルールの範囲内で若干の改造が加わることもあるが、銃器そのものは一般の射手(健常者)と同じものを使う。銃器の重量は4-5kgほどある。使用する銃弾も標的も距離も同じだ。
一般射手との競技上の大きな違いは射撃姿勢である。
下肢(下半身)に障害がある人はストゥールや車椅子に座った状態で射撃することを許され、上肢で銃器をじゅうぶんに支えられない障害がある人は所定のスタンドに委ねて射撃することもできる。射手がどの姿勢でどのような補助装備を使って射撃するかは、公式機関によるクラス分けの認定を受けなければならない。クラス分けは、銃器を腕だけで支えて射撃できるか否かで、SH1クラスとSH2クラスに大きく分けられる。(なお、正式に認められた競技形式ではないが、視覚障害者向けのSH3というクラスもある。この場合、標的を目では無く、音で捕らえて射撃するので、特殊な装置が必要となる。)
競技会には参加しないで、もっぱら楽しんで射撃をするだけというなら、安全を確保できればどのような撃ち方でも構わない。私は最初のうちは、銃器に慣れる意味もあって、椅子に座って台の上に銃を載せて撃っていた。
射撃を行える場所は所定の射撃場だけなのも一般の射手と同じだ。空気銃の場合は、公立の体育館やスポーツ施設の屋内に設置されていることも多く、探してみると意外に近くに存在しているかもしれない。ただ、問題となるのはバリアフリーの度合いだ。近年、公共施設を中心にバリアフリー化の流れが加速しているとはいえ、車椅子で最初から最後までスムーズに動ける射撃場というのは多くないと思われる。
射撃場そのものの情報が得にくい現状で、バリアフリーの状況まで調べるとなると簡単ではない。射撃場の係員や健常者の経験者にお聞きしても、意外なところでバリアがあったりする。そこは障害者の皆さんで情報共有していくしかないと思っている。
エアライフルやビームライフル射撃には、柔道や剣道のように段級審査があり、現在のところ段級位は、エアライフルでは5級から8段まで、ビームライフルは7級から6段までの設定があるようだ。射撃協会により認定されると賞状とバッジが授与される。審査は公認大会または加入団体の段級審査会で受験する。大会の場合は、大会記録が判定に供されることになる。
ライフル射撃の世界では、プロアマを問わず選手・射手の集まりである協会や連盟があって、障害者射撃を専門にしている団体も多くは無いが、地方レベルでもいくつか存在している。射撃を行う上で必ずしも入会する必要は無いが、情報共有の観点からも利用できるところはお世話になって、うまくお付き合いしていただきたい。
無事に所持できた暁には、注意しておきたい事柄がいくつかあると感じている。
私は四肢(上肢下肢)に麻痺があるので、射撃場においてはことさら安全第一に心がけなくてはならない。特に指の機能が完全ではないので、暴発を防ぐ心構えが必要だ。当たり前のことであるが、その対策のひとつとして、最後の最後までトリガー(引き金)に指を掛けないようにしている。身体障害者が重大事故を起こすと、規制が強化されることに繋がるかもしれない。のびのびと参加することは大切だが、安全第一で臨もう。
(公益財団法人)日本障がい者スポーツ協会が制作した『かんたん!射撃ガイド』というパンフレットが、2019年7月に発行されている。サイトにも公開されていたので、紹介する。
https://www.jsad.or.jp/about/referenceroom_data/competition-guide_21.pdf
(日本障がい者スポーツ協会サイトの協会情報-資料室より)
資料室には、ほかの障害者スポーツ競技についてのパンフレットも用意されている。
日本パラ射撃連盟が、2023年09月08日版で概略をまとめた冊子を公開している。
障害者射撃も、ルールや採点方法など一般健常者の射撃とほとんど変わるものは無いが、特有の知識や情報について別途まとめておく。
まったくの初心者が、見よう見まねでエアライフルによる標的射撃を始めてみた。ほとんど独学状態で、しかも身体に障害アリ。
こんなことで大丈夫か?
アレコレもがきながらも、楽しんでいる様子をご覧ください。
A physically disabled shooting beginner tells you how to get into an Air Rifle target shooting in Japan.
Un principiante discapacitado de tiro le dice cómo comenzar un tiro al blanco con rifles de aire comprimido en Japón.
殘疾人射擊初學者講述瞭如何在日本開始氣步槍射擊。
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最終更新日:2025年01月21日
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