このページでは、空気銃の銃砲所持許可申請について、書類を集めることから警察署に提出するところまでを解説する。
クレー射撃を始めたい場合は猟銃(散弾銃)の所持許可申請をする必要があるので、初心者講習の講習修了証明書を取得したら次に射撃教習を受けることになるが、空気銃だけならば、初心者講習を終えたら、次に所持許可申請をすればよい。
所持許可証を手にするまでにはいくつかのステップがあるが、まずは提出書類をそろえることから始める。この段階から銃を選定しておく必要があり、また申請が受理されたら早々にガンロッカーも設置しておかなければならないなど、あわただしい日々が続く。
東京都では、申請書類提出から所持許可証交付まで、土日を除いて35日をめやすにしていると言われたが、実態としてはだいたい2-3ヶ月だとも言われた。近年は特に厳しくなってきているようだ。
ただし、これも申請者本人やその周辺に怪しいことが一切ないという条件での話で、何か問題がありそうで慎重な調査を要するような場合はもっと時間が掛かるし、地域や時期によってもかなり差がありそうである。善良な一市民である私の場合は、7月20日ごろに申請手続きをし、所持許可証交付の知らせを受けたのは9月末で、約70日かかっている。
それと、大切なことをひとつ。同居家族の同意がないと所持許可に影響すると思われるので、必ず前もって説明し同意を得ておこう。
現在、銃砲の所持許可を受けていない人が、初めて空気銃の所持許可を申請する場合、必要な書類は次のとおりである。
(東京都公安委員会の例)
0)銃砲所持許可申請書
1)申請者の写真2枚(縦30x横24mm)
2)住民票の写し(3ヶ月以内、本籍地の記載あり、家族全員のもの、外国人は国籍等の記載あり。マイナンバーは記載しないこと。)
3)市区町村発行の身分証明書
4)診断書(3ヶ月以内)
5)譲渡等承諾書
6)同居親族書
7)経歴書
8)講習修了証明書
基本は以上だが、購入予定の銃砲のカタログ(写真とスペック)、銃砲保管状況(ガンロッカーのスペック・設置場所・設置方法など)、家族の緊急連絡先(携帯電話番号)などを要求される場合がある。
また、申請者本人の確認のため、運転免許証等の顔写真付きの身分証明書も持参しておく。
(0)(6)(7)のフォームは、各府県警察本部の公式サイトからダウンロードできる。
(4)診断書は、同じく各府警警察本部の公式サイトにモデルのフォームがあるのでそれをダウンロードして使うとよい。診断書フォームは警察本部によってかなり異なるので、それぞれに従うほうが無難である。
フォームは、申請者の住所地の警察本部公式サイトからダウンロードしたものを使うと良い。
書式は、銃砲所持許可申請書(表・裏)1枚と別紙1枚である。
書類は1部でよい場合が多いと思うが、2部要求されている地域もあるかもしれないので、指示に従う。
なお、私は書類の項目を手書きではなく、PCによる活字で埋めて提出したが、それでOKだった。
<銃砲所持許可申請書(表)>
・冒頭の条項は、「銃砲刀剣類所持等取締法 第4条第1項の規定」と記入する。所持の許可に関する条文である。なお、下記で第5号の2は射撃指導員のことである。
=====
第四条 次の各号のいずれかに該当する者は、所持しようとする銃砲又は刀剣類ごとに、その所持について、住所地を管轄する都道府県公安委員会の許可を受けなければならない。
一 狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃又は空気銃(空気けん銃を除く。)を所持しようとする者(第五号の二に該当する者を除く。)
=====
・申請書提出当日に受理されるかどうか分からないので、日付欄は空欄にし、警察署で記入するようにすればよい。なお、年号はすべて和暦(昭和・平成など)で記入する。
・記載事項に氏名、現住所、本籍地などがあるが、漢字はもちろんのこと、地番表示もすべて住民票に記載のとおり記入しなければならない。たとえば「○○町1-2-3」ではなく、「○○町1丁目2番3号」のように記入する。氏名欄の押印も忘れずに(シャチハタは不可)。
・申請件数は、初めての所持許可申請の場合は1件とし、詳細を別紙で添付する。
・講習修了証明書の交付者は「○○県公安委員会」などである。証明書の記載どおりに記入すればよい。
<銃砲所持許可申請書(裏)>
・同居人の欄は、一人暮らしであれば「無」にチェックを入れる。一緒に暮らしている人がいれば、「有」にチェックを入れ、その人数を書く。
・欠格事項の誓約欄は、銃刀法第5条第1項第2号から第18号に記載されている(年齢以外の)人的欠格事項に該当しないことを自ら誓約するものである。
=====
第五条 都道府県公安委員会は、第四条の規定による許可を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当する場合又は許可申請書若しくはその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けている場合においては、許可をしてはならない。
一 十八歳に満たない者(空気銃の所持の許可を受けようとする者で、国際的な規模で開催される政令で定める運動競技会の空気銃射撃競技に参加する選手又はその候補者として適当であるとして政令で定める者から推薦されたものにあつては、十四歳に満たない者)
二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
三 精神障害若しくは発作による意識障害をもたらしその他銃砲若しくは刀剣類の適正な取扱いに支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものにかかつている者又は介護保険法第五条の二第一項に規定する認知症である者
四 アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者
五 自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従つて行動する能力がなく、又は著しく低い者(第一号、第三号又は前号に該当する者を除く。)
六 住居の定まらない者
七 第十一条第一項第一号若しくは第二号に該当したことにより同項の規定により許可を取り消され、又は同条第三項、第四項若しくは第六項の規定により許可を取り消された日から起算して五年を経過していない者
八 第十一条第一項第四号に該当したことにより同項の規定により許可を取り消された日から起算して十年を経過していない者
九 第十一条第一項第一号、第二号若しくは第四号、第三項、第四項又は第六項の規定による許可の取消処分に係る聴聞の期日及び場所が公示された日から当該処分をする日又は当該処分をしないことを決定する日までの間に当該処分に係る銃砲又は刀剣類を譲り渡し、その他自己の意思に基づいて所持しないこととなつた者(銃砲又は刀剣類を所持しないこととなつたことについて相当な理由がある者を除く。)で当該所持しないこととなつた日から起算して五年(同条第一項第四号の規定による許可の取消処分に係る者にあつては、十年)を経過していないもの
十 第十一条の三第一項第一号に該当したことにより同項の規定により第九条の十三第二項の年少射撃資格の認定(以下この号及び次号において「年少射撃資格の認定」という。)を取り消され、又は第十一条の三第二項の規定により年少射撃資格の認定を取り消された日から起算して五年を経過していない者
十一 第十一条の三第一項第三号に該当したことにより同項の規定により年少射撃資格の認定を取り消された日から起算して十年を経過していない者
十二 禁錮以上の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの
十三 この法律若しくはこれに基づく命令の規定若しくはこれらに基づく処分に違反し、又は火薬類取締法第五十条の二第一項の規定の適用を受ける火薬類について同法若しくはこれに基づく命令の規定若しくはこれらに基づく処分に違反して罰金の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの
十四 次条第二項第二号又は第三号に規定する行為をして罰金の刑に処せられた者で、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過していないもの(前号に該当する者を除く。)
十五 ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成十二年法律第八十一号)第二条第三項に規定するストーカー行為をし、同法第四条第一項の規定による警告を受け、又は同法第五条第一項の規定による命令若しくは同条第九項の規定によるその延長の処分を受けた日から起算して三年を経過していない者
十六 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成十三年法律第三十一号)第十条第一項の規定(同法第二十八条の二において読み替えて準用する場合を含む。)による命令を受けた日から起算して三年を経過していない者
十七 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
十八 他人の生命、身体若しくは財産若しくは公共の安全を害し、又は自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者(前号に該当する者を除く。)
=====
・エアライフル(空気銃)のみで申請する場合は、「猟銃の許可申請者のみ回答」の欄は記入不要である。
・初回申請時は省略する書類はないはずである。
<銃砲所持許可申請書(別紙)>
申請する銃砲についての書類。銃1丁につき1枚作成する。
一枚のみのばあい、「1/1件」(1ページ目/全1ページ中)とする。
・銃砲欄と現所有者欄は、銃砲店から送られてきた「譲渡等承諾書のとおり」にチェックを入れれば、改めて記入する必要はない。
・用途欄は、競技用のエアライフルの場合、「標的射撃」にチェックを入れる。
無帽、正面、上三分身、単色無背景、6ヶ月以内に撮影したもので、サイズは縦30mmx横24mmのものを2枚要求される。
上三分身というのは、顔だけではダメで肩も写っていなければならない。以前のサイズはライカ版(36x24mm)だったが、現在は運転免許証と同じ30x24mmに変更になっている。
裏面に氏名(フルネーム漢字表記)と撮影年月日を記載する。ボールペンなどで筆圧をかけすぎないこと。
提出した2枚のうち1枚は、所持許可証に貼付される。所持許可証は3年に一回更新されるので、貼付写真もそれまで使用される。更新時には新しい写真を提出することになる。
住民票は抄本(世帯員の一部記載)ではなく、謄本(世帯全員記載)をもらうこと。つまり、同居家族全員が記載されていなければならない。さらに、本籍地も掲載してもらうように申請する。
有効期限は発行から3ヶ月以内なので、早めに準備しすぎてもよくない。
ここで言う身分証明書とは、本籍地(戸籍登録地)の市区町村が発行する法的資格を示すための文書である。内容は「成年被後見人または破産に関する証明」を行う書類で、後見の登録、禁治産・準禁治産の宣告、破産宣告または破産手続き開始決定の通知を受けていないことの証明となるものだ。
入手方法は戸籍謄本などと同じような要領で、本籍地の市区町村に請求する。請求には戸籍の本籍および筆頭者の氏名が必要となる。
本籍地の市区町村の公式サイトをみれば詳細が分かると思うが、本籍地が遠方の場合は郵送による請求も可能だ。発行手数料は、郵便局で購入する「定額小為替(ていがくこがわせ)」を同封するのが一般的だが、これの発行手数料が1枚100円掛かる。
通常、身分証明書の発行手数料は300円だが、自治体によっては成年被後見人と破産の証明が別になっている場合があり、それぞれ300円ということになると、手数料は合計600円。定額小為替には600円の金種がないので、300円を2枚買うとそれぞれに発行手数料100円かかったりする。
また郵送で請求する場合、郵便切手貼付の返信用封筒も忘れずに。おおむね往復1週間ていどだが、場合によっては2週間ほど掛かることもあるので、計算に入れておく必要がある。ただし、3ヶ月の期限があるので、あまり早めに用意するのもよくない。
医師による診断書で、下記のすべてを証明するものである。
・統合失調症/そううつ病/てんかんでないこと。
(てんかんは発作が再発する恐れがないもの、発作が再発しても意識障害がもたらされないもの及び発作が睡眠中に限り再発するものは含まない)
・上記のほか、自己の行為の是非を判別し、又はその判別にしたがって行動する能力を失わせ、又は著しく低下させる症状を呈する病気でないこと。
・介護保険法(平成9年法律第123号)第5条の2第1項に規定する認知症でないこと。
・アルコール/麻薬/大麻/あへん/覚せい剤中毒者でないこと。
これら項目を証明する診断書であればフォームは問わないが、各府県警察本部の公式サイトに診断書のモデルがダウンロードできるようになっているので、それを印刷して医師にお願いするのが無難だろう。
なお、法改正により2015(平成27)年3月1日以降、診断書を作成できるのは下記の医師となった。
それ以前は精神保健指定医等の専門医(いわゆる精神科医師)のみだったので、やや緩和された形である。
1)精神保健指定医
2)精神科、心療内科、神経内科等を標榜し、2年以上精神障害の診断又は治療に従事した経験を有する医師
3)許可を受ける者の心身の状況について診断したことがある医師(歯科医師を除く)
上記は警視庁のサイトにアップされている診断書モデルの記載事項であるが、他府県でもほぼこれに準していると思われる。
(1)はいわゆる精神科医のことだが、飛び込みでお願いしてもなかなかすぐに書いてくれない場合も多いようだ。なんどか通院してから検査を受けて、ようやく診断書を作ってくれたという話もネットで見る。
2015年の法改正により(3)の項目が入ったので、いわゆる「かかりつけ医」として継続的に診療をしている医師でも可能となったが、この場合は過去の受診歴を証明するもの(初診日記載の診察券、過去の診断書、領収書、検査結果票など)の提示が必要となる場合がある。診断書には、初回診察日や前回受診日などを記入する欄があるのが普通だ。
ただ、この場合も、日ごろ健康体で医者には掛かったことがないというような人は苦労することになる。身体に障害がある人は日々病院に通う機会が多いと思われるので、その医療機関にお願いするのが早いかもしれない。
すぐに書いてくれそうな医師に心当たりがない場合、ネット情報では担当警察官に紹介してもらった人もいるようだが、私の場合(精神科のみだった時代)は紹介していただけなかった。私の初めての所持許可申請は法改正直後で、しかも、たまたま「かかりつけ医」の内科医が神経内科の専門医でもあったので助かった。
銃砲所持許可申請のための診断書は、意外とハードルが高いものなのかもしれない。
診断書の有効期間は作成日から起算して3ヶ月で、その期間においては繰り返し申請書に添付することができる。
診断書の作成料は健康保険適用外で、私の場合は3,240円(消費税8%時代の税込み)だったが、医療機関によって設定が異なるようだ。
診断書は所持許可を取得した後も、3年ごとの更新時に改めて入手する必要がある。初めて診断書を書いてくれた医師とは懇意にしておこう。
入手予定の銃器の詳細な内容と入手経路を明らかにするのがこの書類である。銃砲店または現在の所有者が発行する。
銃器の入手は新品、中古品にかかわらず、銃砲店から購入するか、あるいは知人などから譲り受けるかすることになるが、書類提出前には所持する銃器を具体的に決めておかなければならない。
銃砲店から購入する場合は、銃砲店で希望する銃器の予約をする。ほとんどの場合、この時点で代金全額か手付金(10%ていど)を支払うことになる。希望する銃が銃砲店、少なくとも日本国内に在庫があればよいが、無い場合は本国(欧州)から取り寄せとなり、数カ月待つ可能性もある。そうなるとこの書類の入手時期に影響することになるので、銃器の選択については早めにアクションを起こしておかなければならない。
左射手用のモデルは在庫も限定的なので、特に注意が必要である。
私は左利き(左射手)だったが、希望していた銃器の日本総代理店に在庫があり、すぐに手続きができたのは幸いだった。
銃の購入手続きと譲渡等承諾書の入手方法については、「エアライフル選び」のページを参照のこと。
書類提出後に変更することはできないので、慎重に、かつ楽しんで選ぼう。
申請者が現在住んでいる住居に同居している人ひとりひとりにつき、本籍地、生年月日、続柄、職業まで記入しなければならない。配偶者/子ども/孫/ひ孫/親や義父母/祖父母/兄弟姉妹/親戚/知人など血のつながりに関係なく同居している人すべて含む。
これら同居人については、のちの聞き取り調査で素行や生活状況なども聞かれることになる。
籍を入れていない配偶者(いわゆる内縁関係)も親族に含まれるとのこと。
本籍地が申請人と同じ場合はチェックを入れればよい。
過去直近10年間の職歴と住所歴、そして、猟銃等の所持歴や犯歴についても細かく記入する必要がある。
職歴は、会社員の場合は部署や役職、業務内容など、自営業の場合は屋号と業務内容など、無職は年金などの収入源(場合によっては年額など)を記入する。
住所歴は、マンション名等まで詳細に記入する。
猟銃等の所持歴は過去に所持していて譲渡して登録抹消したものはもちろん、現在所持中の銃砲も「所持継続中」として記入する。
犯歴については、担当警察官が言うには、実はここがかなり重要なのだそうだが、いたずらに隠そうとするとのちに発覚したときに即取り消しになるので、すべて記入すること。記入が必要な内容は処分結果が出たものだけではない。年限に関係なく、過去に法律で罰金以上の刑が定められている犯罪を犯してしまった場合にはすべて記載しておく。事件として取り扱われなかったが、警察に取り扱われたことがあるものについても詳細に記載する。
たとえば、万引きで起訴猶予中であるとか、ケンカで警察署へ行ったが和解したなどである。いわゆる「警察のご厄介になったことがある」という人は書いておかなければならない項目だ。幸い私には何ひとつ無かったが、申請時にかなり念押しされた。
ただし、交通違反で反則金(いわゆる青キップ。6点以上の赤キップは罰金になる。)を支払ったようなケースはこの限りではない(担当警察官に確認済み)。
すべての項目で空欄には斜線を引いておく。
(以下、警視庁サイトの記入見本より)
初心者講習の講習修了証明書で、原本を提示する。発行日から起算して3年を超えないものでなければならない。書類提出日が期限ぎりぎりだと受理してもらえないこともあるので、少なくとも6か月ぐらいの余裕が必要かと思う。
場合によっては、追加の資料等を要求されることがある。
・銃器の写真とスペック(カタログのコピーなど)
・ガンロッカーの写真とスペック(カタログのコピーなど)
・ガンロッカーの設置場所や設置方法
・ペレット弾(空気銃弾)の保管場所や保管方法
私の場合は、これらすべてを要求され、後日関連書類の追加提出や来宅検分があった。
なお、散弾銃などで必要となる装弾ロッカーの設置は、空気銃では必要がない。
身体障害者は、以上に加えて、身体障害者手帳を持参するとよい。それにより、障害の状態を公式に説明することができる。さらに、傷病(怪我や病気)の履歴や内容、通院先などについての資料も用意して、求められたら提示すればよいだろう。
書類提出後に、障害に関する医師の診断書や関係者の連絡先など追加の書類を求められることもある。
私の場合は、身体障害者手帳のコピーに加えて、障害を負った経緯(事故の日時、場所、状況)、治癒の時期、障害部位と現況などを紙に書いたものを求められて提出し、過去、受傷後に入院していた病院や主に通院していた病院(障害の現況報告書・定期報告書・診断書などを作成してもらっていた病院)の連絡先も聞かれたので通知した。(実際に、審査の過程で過去に通院していた病院へ確認の連絡を取ったようだ。)
また、所持許可申請書を提出した際、利用する予定の射撃場や身体障害者の射撃姿勢などについても聞かれた。
これらの件に関しては、目黒区ライフル射撃協会事務局長さんから「目黒区立中央体育館では、安全に配慮できれば座って撃つなど射撃姿勢は問わない」と聞いていること、また埼玉県身体障害者射撃連盟事務局長さんにも障害者射撃について具体的な相談に乗っていただいていることを担当警察官に告げると、お二人に確認したいということで、両名に了承を得て連絡先を提出した。お二人には実際に問い合わせが入ったようだ。
障害者年金などを受給している場合は、だいたいでよいので年額も把握しておくとよい。特に、年収が少ない場合はその金額も伝えてこう。
障害とは関係ないが、ビームライフル歴(主に何処の会場でいつから何回ぐらい通っているか)についても書面に盛り込んで提出している。
申請書類一式の記載内容について確認を受け、受理されると、手数料を支払うよう指示される。支払い方法は警察署によって異なるようだが、私の場合は署内の会計係り窓口へ行って現金で納めた。収入証紙で納めるところもあるようなので、指示に従う。
手数料は、10,500円。
書類一式を受理され、手数料を納めると、担当警察官による聴取が始まる。
基本は銃を所持させて問題ないかを確認することだが、仕事や家庭内でトラブルを抱えていないか、金銭面でおかしなところはないか、酒を飲んで暴れたりしないかなどのチェックが行われる。
担当警察官は面談調査票を用意しており、聴取はそれにしたがって行われていく。面談調査票は申請者には見せることは無いが、目の前で警察官が記入しているので垣間見ることができた。書面で項目が挙げられているところをみると、最低限聞かなければならない項目がマニュアル化されているのだろう。臆せず正直に答えよう。
聴取の内容はおおむね次のとおりだ(順不同)。本人ならばすぐに答えられる内容だが、心の準備として前もって調べておくとよいだろう。なお、家族についても同じ項目で確認されることがある。
私の場合(2016年)、聴取所要時間は約40分だった。
以下、内容は厳しいものかもしれないが、面談は比較的穏やかな雰囲気で進むと思う。適当にごまかそうと思わなければ、の話だが。 相手は聴取のプロなのだ。(私の場合は警察官が制服姿でなかったので、プレッシャはやや軽減されていたかもしれない。)
===
・銃砲を所持したい目的(標的射撃や狩猟等)と理由(動機など)
・同居家族内容の確認
・本人および同居家族は初婚か?(離婚歴がある場合はその理由など)
・同居家族の銃砲所持についての同意状況(何と言っているか)
・本人確認のための身分証明書コピー(運転免許証等コピー提出)
→配偶者がいる場合は配偶者の本人確認が必要な場合もある。
・自分はどのような性格だと思うか
・タバコ・飲酒の種類や量と回数
・飲酒をするとどうなるか
・ギャンブルをするか
・自殺しようとしたことの有無(家族も)
・近隣に問題を起こしそうな人が住んでいないか、また隣人等との関係は良好か
・交友関係
・暴力団との付き合いの有無(家族も)
・DV(家庭内暴力行為)などの有無(暴言も含む)
・病歴(主に精神科通院歴)
・現在の病気と服用している薬の内容
・身体障害の内容(身体障害者手帳コピー提出)
・借金・ローン等の有無と金額(同居家族も)
・資産状況(自己所有する持家や土地など。自家用車は含まない)
・収入源と年収、および預貯金額(だいたいでOK)
・勤務先や仕事の内容
・転職履歴がある場合は前職と退職理由
・犯罪歴(前科・罰金)、麻薬等使用歴、行政処分の有無、(同居家族も)
→軽微な交通違反(反則金程度)のものは含まない
・所属団体
・趣味・嗜好
・銃砲を所持した場合の主な練習場所と通う頻度
・ガンロッカーの設置予定場所と時期
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申請者に関して身辺調査を行うので、希望する聴取先を書いて提出するようにと用紙(調査先希望確認書)を渡される。用紙には近隣居住者、職場関係、友人・知人、その他という項目があるが、私の場合は近隣居住者(隣人等)は記入不要ですと言われた。担当警察官のほうで任意に選んで聴取するらしい。
それ以外では職場関係1-2名、友人・知人1-2名を記入すればよいという話だった。
それに加えて、障害の現況報告書・定期報告書・診断書を長きに渡って書いてくれていた病院名と連絡先(電話番号)、そして目黒区ライフル射撃協会事務局長と埼玉県身体障害者ライフル射撃連盟事務局長の連絡先(電話番号)を知らせるよう指示があった。目黒区ライフル射撃協会事務局長はビームライフルに通っていた関係で知り合った人で、目黒区立中央体育館で射撃する際の身体障害者の射撃姿勢などを主に確認したい様子だった。同じく、埼玉県のほうは、身体障害者がエアライフルを所持することについて、メールで色々と相談に乗っていただいていると話したことによる。
身辺調査の聴取先については、事前に用意して申請書提出時に渡す方法もあるが、担当警察官と相談してから誰がよいか決めていけばよいかと思う。私の場合は用紙を後日郵送した。
聴取先については、近隣居住者以外は自由に選んでよいが、職場関係については、会社員の場合は職場の同僚や上司など、自営業の場合は取引先の人などを選んでほしいようだ。
なお、この聴取は3年ごとに行われる所持許可の更新時にも実施される。
まったくの初心者が、見よう見まねでエアライフルによる標的射撃を始めてみた。ほとんど独学状態で、しかも身体に障害アリ。
こんなことで大丈夫か?
アレコレもがきながらも、楽しんでいる様子をご覧ください。
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